ビッグモーター社員が街路樹に除草剤を撒くのが「環境整備で…」と記者会見で語った、ビッグモーター創業者の兼重宏行元社長。
しかし「環境整備」と口にした途端、同席した陣内司管理本部長が「こちらの方で認識しておりますが、きちんと調査をさせていただきまして、適切に対処させていただきたい」と遮るようにコメントしたことから、ビッグモーターにとって「環境整備」という言葉に何か気まずいことがありそうですね。
じつはこの「環境整備」というのは、ビッグモーターがコンサルを受けている小山昇さんの株式会社武蔵野のノウハウ。
小山昇さんの「環境整備」がどのようなものか、まとめました。
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ビッグモーターが行っていた環境整備内容
ビッグモーターは日々「環境整備」として何を行っていたのでしょうか。
詳しくまとめました。
店舗前の掃除
ビッグモーターは環境整備として、日常的に店舗前の掃除を行っていました。掃除自体は、とても良いことですよね。
保険金の不適切受領に関する記者会見の際、和泉伸二新社長(当時は専務取締役)は以下のように説明しています。
環境整備点検において、全店のお客様が入ってくる出入口、歩道を含め、前後10mにわたって、雑草やゴミなどがあれば、取り除こうという形で、毎朝全店で(やっている)
2023年7月25日公開のテレ朝ニュースでも、ビッグモーター社員が全員で何もかも刈り取るという近隣住人の目撃談が報道されていました。
近隣住民:「2016年ぐらいにビッグモーターができてからずっと。最初に全部刈り取っていた。業者か会社の人か分からないが総出でやっていた。社員さん全員で刈り取る、全部何もかも。ちょっと草が生えただけで根こそぎ取っている。それを日中、業務としてやっている」
引用:テレ朝news https://news.yahoo.co.jp/articles/eae671ae560c5fc5cbaf2196bc093d8bb777c012
社員総出で」という表現から、ビッグモーターにとって「環境整備」がとても重要な業務として位置づけられていたことがわかりますね。
街路樹に除草剤
毎日従業員が環境整備として店舗前の掃除を行っていたビッグモーターですが、その掃除の一環で街路樹に除草剤を撒いていたことが判明しました。
元々SNS上で「ビッグモーターが除草剤で街路樹を枯らしているのでは」と疑惑があったものが、今回の一件でビッグモーター自身で除草剤を撒いていたことを認めた形になります。
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小山昇・株式会社武蔵野の環境整備内容
ちなみにビッグモーターは株式会社武蔵野で経営コンサルティングを受けていましたが、株式会社武蔵野のHPでは、環境整備は会社立て直しにおいて非常に重要と説かれています。実際、ビッグモーターでも社員総出で草刈りをするほど環境整備の業務は重点が置かれていました。
つまり、ビッグモーターが行っていた「環境整備」というのは株式会社武蔵野のコンサルティングの結果なのです。
株式会社武蔵野のHPでは、環境整備は以下のように説明されています。
環境整備を徹底することで「社長の指示が通らず、生産性も上がらない」という悩みが解決されます。なぜなら、環境整備を通して気づく力を養い、社員一人ひとりの生産性のアップと価値観の統一が図れるからです。
引用:株式会社武蔵野HP https://www.m-keiei.jp/tsuyomi/kankyoseibi/
街路樹に除草剤を撒くことまで株式会社武蔵野の指示だったかはわかりませんが、「環境整備」という言葉をそのまま使っていることからも、ビッグモーターは株式会社武蔵野のコンサルの影響を強く受けているものと思われます。
以下では、小山昇さんが代表を務める株式会社武蔵野の環境整備内容をまとめます。
朝の30分の掃除
株式会社武蔵野では、環境整備は業務の見える化や改善、習慣化までが仕組化され、仕事が円滑化すると書かれています。
ただ掃除をするだけでなく、業務の見える化や改善、習慣化まで整える毎朝の環境整備の仕組みは、多くの企業を成功に導いています。
環境整備は仕事のやり方を学び、やらないことやいらない物を捨て、気付く人を育て円滑なコミュニケーションの社内環境へ整えていきます。引用:株式会社武蔵野 https://www.m-keiei.jp/tsuyomi/kankyoseibi/
「環境整備」とは単なる掃除ではなく、整理・整頓・清潔を徹底することでムダに気づき、仕事の効率化が図れると説いています。
おそらくビッグモーターは、草取り業務軽減のため=仕事効率化を重視するあまり、除草剤を使おうという発想になったのでしょう。業務効率化を求めるあまりに倫理観が欠落していったのではと思います。
ルールを守る習慣づくり
株式会社武蔵野のHPでは、環境整備を行い続けることで社員に「ルールを守る習慣づくり」が可能になると書かれています。
確かに、毎日同じルーティンを行うことは、一流のプロ野球選手などでも見られますよね。決められたことを続ける継続力は、自律にも非常に重要です。
しかし、トップが強権的な企業の場合、上が決めたことをやり続けることは時に盲目的になったり、思考停止のままただ作業する事態にもなりかねません。ビッグモーターの社員は株式会社武蔵野のコンサルが裏目に出てしまった例と言えそうです。