叩けば叩くほどホコリが出てくるビッグモーター。
保険金詐取事件から始まり、従業員へのパワハラ、店舗前街路樹への除草剤散布による器物損壊など、会社ぐるみで行ってきた悪行の数々の告発が止まりません。
従業員が犯罪行為に及ぶまで追い詰められた原因は、厳しい営業目標や、上からの圧力、パワハラだったことも報道されていますが、それらの拝金主義で厳しい目標などが記されていたのがビッグモーターの「経営計画書」。
この経営計画書は小山昇さんのコンサルティング会社・株式会社武蔵野の信条が強く反映されていると言われていますが、ビッグモータ小野経営計画書には何が記されているのでしょうか。
保険金詐欺事件で注目されて以降、メルカリなどでも転売されているビッグモーターの経営計画書の内容についてポイントをまとめました。
※2023年7月26日現在、ビッグモーター創業者の兼重宏行前社長の経営思想を社員に伝える「経営計画書」は撤回されています
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ビッグモーターの経営計画書の中身まとめ
上意下達で上には逆らえない社風を存分に反映されている、ビッグモーターの経営計画書。
ビッグモーター創業者である兼重宏行前社長の経営思想をまとめたものですが、倫理的にかなり問題があると言われています。
ここでは、ビッグモーターの経営計画書の内容をまとめていきます。
会社と社長に従わなければ即刻辞めてもらう
上の画像はANNが入手した、ビッグモーターの経営計画書の画像ですが、以下のように明記されていますね。
会社と社長の思想は受け入れないが仕事の能力はある
→今、すぐ辞めてください
たとえ実力や能力がある社員であったとしても、会社や社長に従わなければ即刻クビと明言されてあります。実力や能力よりも、何も考えず上に従う兵隊のような社員を求めているということですね。
毎日「幸せだなぁ!」「俺はツいてる!」と言う
ビッグモーターの経営計画書には、感謝の気持ちを表現するという項目があります。
感謝の気持ちを口にする自体は問題ないですが、「幸せだなぁ!」「俺(私)はツいてる!」「やってやれないことはない。」「やらずにできるわけがない」という言葉を毎日口にするように書かれてあります。
ここまでくるとやり過ぎと言うか、宗教っぽい感じがしますよね…
ちなみに、ビッグモーターのコンサルティングをしている株式会社武蔵野の代表取締役・小山昇さんの経営哲学に「朝礼で『スーパーハッピー』と絶叫」というものがあります。
おそらくビッグモーターの経営計画書のこの項目は、小山昇さんの影響が強いのではと思います。
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ポジティブになれる言葉を朝礼で言う
上の画像は、2021年9月のビッグモーター九州エリアの朝礼の様子。
モザイクがかかってはいるものの、かなり気合が入った印象を受けますよね。
ビッグモーターは毎朝の朝礼で、ポジティブになれる言葉を全員で輪になって1人ずつ順番に叫ぶという慣習があるようです。
おそらく小山昇さんの「毎朝朝礼でスーパーハッピーと叫ぶ」を実行するために、朝礼に組み込んでいるのでしょう。
さらに店舗によっては、社訓本を大声で復唱し、ショートスピーチや全員でハイタッチからの事務所に入るなども行っていたようです。
戦前の兵隊の思想統制を思い出しますね。
強烈な願望を心に抱く
ビッグモーターの経営計画書には、以下のような文面もあります。
強烈な願望を心に抱く。
目標達成のためには、潜在意識に浸透するほどの、強く持続した願望を持つこと。
確かに、高い目標を叶えるためには強く思い続けることが大切です。
しかし強く思い過ぎると不正や犯罪に繋がったりすることもあり、そのバランスが大切だと言えますが、その倫理観やバランスについては言及されていないようですね。
経営には闘争心が必要
ビッグモーターの経営計画書には、以下のような記載もあります。
燃える闘魂。
経営には、いかなる格闘技にも勝る激しい闘争心が必要。
社員に配布する経営計画書なので、ここで言う「経営」とは、会社経営だけではなく店舗経営などの広い意味でつかわれていることが予想されますが、「いかなる格闘技にも勝る激しい闘争心」という表現からかなり攻める姿勢が感じられますね。
まるで高度成長期やバブル期のような、昭和のモーレツな働き方です。
会社行事の不参加者は人事評価を下げる
ビッグモーターでは、会社行事の不参加者は人事評価を下げることが明記されています。これは会社として完全アウトですね!
社員旅行や親睦会などの会社行事の不参加者は、人事評価を下げる。その場合の旅行積立金は、預かり金として退職時に返金する。
旅行積立金を退職時に返金してくれるというのは、せめてもの救いでしょうか。
会社行事をここまで重要視するのも、昭和的企業の名残に感じます。
幹部には部下の生殺与奪権を与える
ビッグモーターの経営計画書には、幹部に部下の生殺与奪権を与えることが明記されています。
「生殺与奪権」という表現がもう、物騒で怖すぎますね…
この1項目からだけでも、ビッグモーターの社員は「上に逆らえないのが絶対」という企業風土が伝わってきますね。
結婚式は売り出し日を外して組む
ビッグモーターの経営計画書には、結婚式は売出日を外して予定を組むことが書かれています。
結婚式の日取りも会社に干渉されなければいけないのは理不尽にも感じますが、似たようなルールは警察官や自衛隊などでも実際にあるので、世の中に意外と多いかもしれませんね。
ただし、親戚や友人の結婚式はどうなのでしょうか。自分以外の結婚式の日取りはコントロールできないので、そこまで会社に干渉されるとなるとかなり辛そうです。
ビッグモーターのヤバい社内ルール
ビッグモーターの経営計画書に書いていなくても、実際に行われていた社内ルールも驚くべきものがたくさんあります。
ここでは、ネット上で告発されていたビッグモーターのトンデモ会社ルールをまとめます。
店舗前に草木が1本でも生えていたら店長降格
ビッグモーターでは「環境整備」として、店舗前の清掃を行う業務がありました。
ゴミ拾いや落ち葉拾いは素晴らしいことなのですが、その環境整備の業務の1つとして「街路樹に除草剤を撒く」というものがあります。
街路樹はもちろんビッグモーターの所有物ではありません。街全体のものとして、自治体が管理し、街路樹を植えるのにも税金が使われているため、公共のものにダメージを与えたら器物損壊罪になりますね。
上の画像はビッグモーター滋賀県南大津店ですが、ビッグモーターが出来てから街路樹が枯れている様子がわかります。
どうやらこの除草剤を撒く作業も、「店舗前に草木が1本でも残っていたら店長降格」という社内ルールがあったからということで、利己主義な企業体質が露骨に表れている一件と言えるでしょう。
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クビは突然言い渡される
ビッグモーターでは、その場で突然クビを言い渡されることも日常的にあったようです。
上に逆らったら即刻クビ、かつ幹部が社員の生殺与奪権を持つという企業風土なので、何か上の意向に沿わないとクビが飛ぶのが早かったのでしょうね。
従業員にも生活があるにも関わらず、あくまで会社のこと・売り上げのことのみを優先する体質がわかります。
歩き方が悪いとクビ
とある女子社員は、上から「歩き方が悪い」とクビになったことも。
この程度でクビにされていてはきりがなく、ビッグモーターの社員が日々戦々恐々と上の意向を気にしながら業務にあたっていたことが想像できます。