スシローが6700万円の損害賠償請求を取り下げた理由!醤油差し舐め事件

スシローが6700万円の損害賠償請求を取り下げた理由!醤油差し舐め事件

回転ずし「スシロー」の岐阜の店舗で少年が醤油差しをなめるSNS動画が拡散した問題。

スシローの運営会社「あきんどスシロー」が少年に約6700万円の損害賠償を求めましたが、大阪地裁で2023年7月31日付で調停が成立したと報道されました。

この不適切な動画拡散によって、スシローは店内の醤油差しを取り換え、店内のすしレーンを改装したり、全国の店舗で客が激減したりと、かなりの損害を被りました。にも関わらず、6700万円の請求を取り下げた理由は何なのでしょうか。

スシロー側も少年の弁護士側も調停内容について語っていないため、色々な憶測がネット上で飛び交っていますが、考えられる原因をまとめました。

スシローが6700万円の損害賠償請求を取り下げた理由

少年の賠償請求を取り下げたスシロー

引用:https://www.akindo-sushiro.co.jp/

損害賠償請求を取り下げた理由として、スシローの広報は「当社としても納得できる相応の内容だった」とコメントしています。

具体的な内容の公表は控えるが、責任は(少年側に)認めていただき、当社としても納得できる相応の内容だった

引用:ライブドアニュース(2023年8月1日)https://news.livedoor.com/article/detail/24719884/

つまり、何らかの少年からの提示があり納得できる内容だったために、賠償請求を取り下げて調停で済ませたということですね。

少年側からどのような提案があったのか、スシローは何のために賠償請求を取りやめたのか(取り下げるメリットは何か)をまとめました。

少年が反省をした

醤油差しペロペロ少年の賠償請求を取り下げたスシロー

引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/47337dfd16b765519765f18340a3fe820e12079b

前述のスシローのコメントには「責任は(少年側に)認めていただき、当社としても納得できる相応の内容だった」とありますが、このことから少年側は責任を認めたこと、調停内容に納得がいったことがわかりますね。

責任を認めたということは、少年は事の重大さに気が付き、反省をしているのではないでしょうか。

まだ10代という年齢も考慮し、やり直させるチャンスを与えるためにスシロー側が譲歩した可能性がありますね。

賠償請求額が多すぎた

シローが6700万円の損害賠償請求を取り下げた理由!

スシローの醤油差しペロペロ動画事件は、その行為自体が常識から外れていて回転すし利用者を震撼させるものでしたが、その損害賠償請求額が6700万円という大きな金額だったこともとても話題になりました。

しかし一般家庭に対して6700万円という額は、返済が非現実的というか、実際に回収できる可能性も低い金額ですよね。大きな金額を提示しても、回収できなければ意味がありません。

そのため、もっとリアルな金額で調整した可能性があります。

拡散者の罪に考慮した

シローが6700万円の損害賠償請求を取り下げた理由は拡散者との不平等

醤油差しをペロペロと舐めた少年はもちろん悪いのですが、それを動画に撮影してSNSで拡散した人物もまた悪質です。

醤油差しを舐めた少年は賠償請求されるなか、周りで止めなかった人、しかもSNSで拡散した人が罰せられないのは不公平ですよね。

そのため、周囲に人がいたにも関わらず醤油差しを舐めるのを止めてもらえなかった少年に対して、情状酌量があった可能性があります。

裁判の均衡性を考えた

スシローが6700万円の損害賠償請求を取り下げた理由は今後の前例を作らないため

今回、回転寿司で「醤油差しを舐めたら6700万円」という前例を作ってしまったら、もし赤ちゃんや痴呆症の老人などが似たようなことをしてしまった場合、6700万円を賠償請求するのかという問題になります。

そうなると、もちろん粗相はないように大人が気を付けているはずですが、子どもや老人を連れて回転ずしに行くことが怖いと感じる人も出てくるでしょう。

そういった前例を作らない、怖いイメージを持たれたくないといった思いから、最終的な調停内容や請求額をハッキリと言わない可能性もあります。

裁判自体が目的だった

スシローが6700万円の損害賠償請求を取り下げた理由は裁判自体が目的だったから

今回の事件では「賠償請求が6700万円」という金額がかなりクローズアップされました。

そして、世論で多かったのは「実際にスシローにも迷惑をかけたため法外な金額も妥当」「今後模倣犯が出ないように徹底的に請求すべき」という声が多くあがっていました。

スシローとしても、今後の模倣犯は絶対に防ぎたいはずです。なので世間があっと驚くような賠償請求額を提示しましたが、この金額の提示で本気度を世間に見せること自体が目的だった可能性もあります。

実際、一般家庭の個人がどれほど苦労して賠償請求を支払ったとしても、スシローのような大企業からしたらほんの少しの金額になるだろうからです。「社会に本気度を見せる」という目的が達成されたため、実際の調停金額はそれほど重視していなかったのかもしれません。

企業イメージアップを狙った

醤油差しペロペロ少年の賠償請求を取り下げたスシロー

引用:https://mainichi.jp/articles/20220310/k00/00m/020/161000c

一般人相手に大企業が6700万円を請求したというのは、かなりインパクトがあります。

もちろん悪いのは全面的に少年側なのですが、「少年がしっかり反省をしたからスシロー側が譲歩した」となれば、懐が深いという企業イメージにも繋げることができます。

そういった長期的な企業イメージのために、調停で済ませた可能性もありますね。